こんにちは。
私が最近読んだ、集中力にまつわる本の中にとても興味深い実験が載っていましたので、ご紹介したいと思います。
ある大学で姿勢と集中力の関係性を調べる実験がおこなわれました。
【実験内容】
学生40人を集め、20人ずつのグループに分け、
たった一つの条件付きで簡単な計算テストを受けてもらいました。
その条件とは、
①一つ目のグループには「楽な姿勢」でテストを受けてくださいと伝え、
②二つ目のグループには「良い姿勢」でテストを受けてくださいと伝えました。
テストは午前午後おこなわれ、姿勢と集中力の関係性を調べました。
【結果】
午前のテスト結果は両グループともそんなに大差はなく、わずかに②のグループのほうが上回っている程度でした。
しかし午後の結果は格段に②のグループのほうが成績が良かったのです。
ここでいう楽な姿勢とは決して、”悪い姿勢”というわけではありません。
学生が思う楽な姿勢をしてもらったのです。
しかし楽な姿勢でと伝えた①の学生の大半が背中を背もたれにつけ、頭を過剰にうつむけた状態、いわゆる”猫背”の状態が多かったそうです。
②のグループは背筋がピンと伸び、頭がしっかりと背骨の上に乗った姿勢を保持していました。
【考察】
なぜ、姿勢で集中力が変わってくるのでしょうか。
考えられる一つの原因は呼吸です。
①の学生の姿勢は背中が丸まり、肺が圧迫された状態。呼吸しにくく、脳に酸素が回らないため、脳のはたらが悪くなってしまったのではないかと考えられます。

一方、②の学生は骨盤の直上に頭がある状態を保っている学生がほとんどでした。
首や肩の筋肉に負担をかけず、楽に呼吸ができる姿勢ともいえます。

この実験で姿勢が脳にもたらす影響力は非常に大きいということがわかりました。
皆さんもデスクワーク中姿勢が崩れていませんか?
リモートワークが広がる中、「家だと集中できない・・・」という方もいらっしゃると思います。
一度ご自身の姿勢を正してみて30分だけ集中というのもいいかもしれません。
【集中力を高めるポイント】
・30分良い姿勢で集中➡5分休憩
ヒトが座って一つの作業に集中できる最大の時間は30分。それ以降はどんどん脳が疲労していきます。
30分経ったら一度立ち上がって5分休憩というのがベスト。
いくら良い姿勢といっても座りっぱなしは体に悪影響です。
一度立ち上がり、軽く歩いたり、ストレッチをおこないましょう。

・午前はインプットの時間、午後はアウトプットの時間
人が一番集中力高まる時間帯は朝食から1~2時間後。
午前中は何かを覚えたり、情報を吸収する能力が一番高い時間帯なのです。
逆に午後は集中力も少しずつ減ってきます。
午前中に得た情報でアイディアを出す時間に使っていきましょう。
・食事で血糖値をコントロール
食後猛烈に眠くなって全く集中できないという経験は誰にでもあると思います。
それは血糖値の急上昇が原因と考えられます。
一回の食事で炭水化物を摂りすぎてしまうと、血糖値が急上昇。その後上がった血糖値を下げようと、
インスリンというホルモンが分泌されて、血糖値は急激に下げられます。
脳の栄養源はブドウ糖ですが、インスリンはこのブドウ糖を全身の細胞に送りこんでしまうので、
この一連の流れで結果的に脳にブドウ糖が回らなくなってしまうのです。
血糖値を急上昇させないためにも、食物繊維やたんぱく質を多めに摂り、炭水化物の量を減らしていくのがよいでしょう。
➡
バランスの良い食事のコツは
・両手のひら、いっぱいの食物繊維
・片手に乗るくらいのたんぱく質
・握りこぶし台の炭水化物
です。
良い姿勢を保つにはある程度の筋肉の柔軟性が必要です。
当院ではストレッチやエクササイズを取り入れた治療で、体の柔軟性を高めていきます。
また、患者様一人一人にあった姿勢指導もおこなっておりますので、
ご興味のある方はぜひ当院までお越しください。
依田美智瑠