【足のお勉強①】足の裏の筋肉が弱くなっている現代人
近年「足の筋力が弱くなっている」と新聞や情報誌など各種マスメディアで伝えられています。足つぼマッサージやリフレクソロジー、足踏み運動etcと足の機能回復、足から癒すという考え方で行われる民間療法が、体調不良に悩む多くの方々の支持を集めております。
現実に、便秘、肩こり、腰痛、冷え症、婦人科疾患の改善があったと言われるケースをよく耳にします。足を治療したり、癒すことで、足から離れた場所や内臓にまで影響しているのかもしれません。すなわち、症状は多彩であってもこれらの疾患に悩む方々に共通の原因があることを物語っているのかもしれません。
足が弱くなっている現代人、それはどうしてでしょうか?
みなさんは、歩行中、足の指をしっかり使っているでしょうか?
歩道も会社もお部屋の中も私たちの生活空間は、水平で凹凸のない単純な路面ばかりです。からだのバランスを積極的に保つ機会が極端に少ないことにお気づきになるでしょう。単純な路面環境は、ハイヒールやパンプス、サンダルのような、足の機能を発揮しづらい履物の使用を可能にし、私たちの足の裏の筋肉を鍛える機会を確実に減少させています。
足の裏の筋肉は、足の指を地面にしっかりグリップさせるという役割があります。単純な路面環境はそれを必要とせず、地面をつかむ筋力が低下します。足の指を圧迫する靴の使用、足代わりに使われる各種交通機関(モータリゼーション)の発達もそれらを加速しております。グリップ力を失った足でからだを運動させるということは、からだの動揺をおこし不安定な運動を強いられます。
その結果地面に足の力を伝えられず、必要以上に体力を消耗したり、ほんの少しの段差でつまずいたりいたします。そのことが近年の老人の転倒事故をより重篤にし、疲れやす子供、運動嫌いの子供という現状につながってるのです。
足の機能低下が原因と考えられる痛みや疾患が頻発している今、みなさんに「足」本来の機能と効率の良い「歩行」を知っていただき、ご自身はもとよりご家族、ご友人の健康管理にお役立ていただければ幸いです。
また、現代人は室内外を問わず靴下や靴を履いている機会が非常に多く、したがってこれらの機能性が問われるのは当然であり大切な要素のひとつです。
靴や靴下については後述いたします。